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2026年06月05日

【令和8年7月施行】柔道整復療養費の新旧比較表|初検料・後療料・再検料の変更点と算定ルールを解説

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【本記事の根拠となる通知一覧】

👉 厚生労働省 公式行政資料:厚生労働省ホームページ 柔道整復師の施術に係る療養費の改定等について

令和8(2026)年7月1日施術分より、柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準が改定されます。

今回の改定は、単なる金額の微調整に留まらず、再検料の算定範囲拡大や、初検料が算定できないケースなど、実際の窓口負担金や実務、療養費支給申請書の作成などに踏み込んだ内容となっています。

本記事では、厚生労働省から通知された最新の改定資料を徹底的に読み解き、基本料金の新旧比較と、柔道整復の療養費算定ルールに特化して専門家の視点から分かりやすく解説します。


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1. 【完全網羅】主要算定項目・新旧料金比較表

令和8年7月1日適用の新算定基準における、主要な基本料金の新旧比較表は以下の通りです。

算定項目 改正前料金(~R8.6.30) 改正後新料金(R8.7.1~) 増減 備考
初検料 1,550円 1,560円 +10円 算定制限ルールが厳格化
初検時相談支援料 100円 100円 据え置き
往療料 2,300円 2,300円 据え置き
再検料 410円 420円 +10円 2回目の後療日まで算定可能に
施療料(打撲・捻挫) 760円 770円 +10円
後療料(打撲・捻挫) 505円 550円 +45円 今改定で最も高い引き上げ幅
温罨法料 75円 80円 +5円 電療料と併施時は加算構造へ
冷罨法料 85円 80円 -5円 温罨法料と一律の料金に統一

2. 主要算定項目の改定ポイント詳細

初検料の改定(1,550円から1,560円への引き上げ)

施術所の窓口においてすべての評価の起点となる「初検料」は、従来の1,550円から1,560円へと10円引き上げられます。この引き上げに伴い、後述する「同一施術所における再初検の算定制限(3月ルール)」が非常に厳格に適用されることになるため、金額の変更と同時に、患者の過去の通院履歴をこれまで以上に厳密に追うオペレーションが必要となります。

後療料(打撲・捻挫)の改定(505円から550円への引き上げ)

日々の施術において最も算定頻度が高い「打撲及び捻挫の後療料」が、505円から550円へと45円引き上げられました。今回の改定において最も手厚い引き上げが実施された項目であり、急性外傷に対する日々の丁寧な後療を適切に評価する姿勢が鮮明になっています。これにより、多部位でのマイナス(多部位逓減ルール)を、適切な単一部位・2部位の丁寧な後療でカバーする経営感覚が求められます。

冷罨法料の引き下げ(85円から80円へ)と温罨法料との料金統一

これまで温罨法料(75円)よりも高く設定されていた冷罨法料(85円)が、5円引き下げられて「80円」となります。同時に温罨法料が5円引き上げられて「80円」となったため、温罨法と冷罨法の基本料金が一律で統一される形となりました。これにより、冷罨法のみが優遇されていた構造が解消され、傷病の状態に応じた適切な選択が評価されるようになります。

温罨法・電療料の改定(75円/33円から80円/46円への引き上げ)

後療において強直緩解等のため温罨法を併施した場合、または施術効果を促進するため電気光線器具を使用した場合(電療料)の加算点数が引き上げられました。骨折・不全骨折は受傷日から7日間、脱臼・打撲・捻挫等は受傷日から5日間を除き、1回につき温罨法併施加算は「80円」、電気光線器具使用(電療料)は「46円」をそれぞれ個別に後療料へ加算することができます。

👉 詳細は以下厚生労働省URL(公式PDF通知)よりご確認いただけます:
保発0601第4号:「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」の一部改正について


3. 再検料(420円)の算定範囲変更と実務上の注意点

今回の改定において、料金の引き上げ(410円から420円へ)以上に実務への影響が大きいのが、再検料の「算定ルール」の変更です。

算定可能範囲の変更:「初回及び2回目の後療日」への拡大

従来のルールでは、再検料は「初検の日後最初の後療の日のみ(1回限り)」しか算定できませんでした。しかし令和8年7月からは、「初検の日後初回及び2回目の後療日の連続する2回」まで算定可能範囲が拡大されます。患者の負傷状態や経過を連続的な見立てによって管理することを評価する仕組みへと変更されたため、レセコンの自動算定設定が「2回」に対応しているか必ず確認してください。

通常の一連の施術における「3回目以降」の算定不可ルール

算定回数が2回に拡大された一方で、通常の一連の後療における「3回目以降の後療」においては再検料を算定することはできません。あくまで初検日に続く初期段階の経過観察(初回・2回目)を評価するものであるという原則を徹底する必要があります。


4. 【今改定最大の激変】治癒・中止後3ヶ月以内の「再検料スタート」特例

今回の改定において、全国の柔道整復師・施術管理者が最も警戒し、実務運用を大転換しなければならないのが、この「初検料の算定制限(3月ルール)」と、「初検料に代わって再検料からスタートする」新たな仕組みです。

これまでは「前回の施術中止から1ヶ月以上」が経過していれば、同一負傷であっても、あるいは別部位の新規負傷であればなおさら、当然のように「初検料(再初検)」を算定することができました。しかし、令和8年7月からはこの大前提が完全に変更されます。

今回の留意事項改定により、患者の負傷が治癒し、または任意に施術を中止した日の翌日から起算して「3ヶ月以内」に同一施術所へ再来院した場合、当初とは異なる負傷や異なる部位であっても、初検料を算定することはできなくなりました。

📌 第2 通則 1(新設ルールより要約)
患者が任意に中止した日の翌日から起算して3月内に同一の施術所において施術を行った場合の初検料は算定できない。この3月の計算は、例えば2月10日~5月9日、7月1日~9月30日のように計算する。

これまでは「1ヶ月以上経過」していれば初検料が算定できましたが、これが「3ヶ月」に引き延ばされ、しかも別部位でも初検が算定できない大変厳しいルールになりました。しかし、救済策として以下の「初検料に代わって再検料からスタートする」算定方法が新設されています。

💡 新設された再検料特例:
初検料が算定できなかった場合において、負傷の治癒または施術中止の日の翌日から起算して「1月を経過した日以降」の施術については、連続する2回まで再検料(420円)を算定してスタートできる。

つまり、中止から3ヶ月以内なので「初検料(1,560円)」は算定できないものの、1ヶ月以上あいていれば、その初回来院日と2回目の来院日に「再検料(420円)」を連続して2回算定できるという仕組みです。

【実務直結】再来時期に応じた算定可否マトリクス表

前回の施術終了(治癒・中止)日の翌日から起算した、再来院時の基本算定項目の可否一覧は以下の通りです(※すべて同一施術所への再来、別部位の新規外傷を含む場合)。

再来のタイミング ① 終了日翌日から1ヶ月以内 ② 1ヶ月超~3ヶ月以内 ③ 3ヶ月以上経過
初検料(1,560円) ✖ (算定不可) ✖ (算定不可) 〇 (算定可能)
初検時相談支援料(100円) ✖ (算定不可) ✖ (算定不可) 〇 (算定可能)
再検料(420円:1回目の来院日)
再検料(420円:2回目の来院日)
再検料(420円:3回目の来院日) ✖ (算定不可)
時間外・休日・深夜加算 ✖ (算定不可) 〇 (要摘要記載) 〇 (初検料加算)

初回来院日に合算する項目(施療料・相談支援料・冷罨法料の算定不可ルール)

この「再検料からスタートする事例」にて施術を開始する初回来院日(初検料が算定できない日)のレセプト作成において、犯しやすいミスがあります。

実施上の留意事項によると、この特例によって算定した初回の再検日において、休日加算、深夜加算、時間外加算の算定は認められていますが、申請書の「初検料」欄の該当文字を○で囲んで金額を記載する必要があります。しかし、初検時にのみ算定できる「初検時相談支援料(100円)」は算定できないため注意が必要です。

休日・深夜・時間外加算算定時における「摘要欄への経緯記載」の明確化

上記のように、初検料が算定できず「再検料スタート」となった初回来院日において、休日・深夜・時間外加算を算定した場合には、「施術時間」および「休日、深夜又は時間外に施術を行うに至った具体的な経緯」を支給申請書の「摘要」欄に詳細に記載することが義務化されました。記載漏れがある場合は、それだけで返戻の対象となるため、窓口でのヒアリングと療養費支給申請書への一筆記入が必須となります。


5. 【実務具体例】7月に初検料を算定する患者さんの算定事例シミュレーション

本改定の適用となる「令和8年7月1日」以降に初検料を算定する患者さんを例に、窓口負担金や2部位目逓減率(80%減額)の新ルールに則った実務上の算定シミュレーションを行います。

📋 症例:7月1日 新規負傷により来院 【負傷名】腰部捻挫・背部挫傷(2部位算定)

7月1日(初診・初検日)の算定内訳

算定項目 改定後の点数・算定額 実務上の留意点・計算ルール
初検料 1,560円 10円引き上げられた新点数を算定します。
初検時相談支援料 100円 患者さんへの動作指導や禁止事項の説明を行い算定します。
施療料(2部位) 770円×2=1,540円 腰部・背部の初回評価。【重要】初日の「施療料」は2部位目であっても多部位逓減(80%減額)の対象外となり、100%(満額)で算定できます。
明細書発行加算 10円 一部負担金の支払いごとに無償交付することで毎回算定可能です。

7月2日(2回目来院時)の算定内訳

算定項目 改定後の点数・算定額 実務上の留意点・計算ルール
再検料 420円 10円引き上げられた新点数を算定。改定により初回及び2回目の後療日に算定可能となりました。
後療料(2部位) 550円+440円=990円 45円大幅に引き上げられた新点数をベースに算定。【重要・新ルール】2部位目は新設の逓減率(80%)を乗じた金額(550円×80%=440円)を算定。
明細書発行加算 10円 窓口で一部負担金等の支払いを受けるごとに、部位名の入った明細書を無償交付することで毎回算定。

📊 7月2日の保険請求分(10割)合計:1,420円 (※罨法や電療等を併施した場合、それらの項目も2部位目は80%に逓減されます。)

7月7日(3回目来院時)の算定内訳

算定項目 改定後の点数・算定額 実務上の留意点・計算ルール
再検料 420円 新設された「連続する2回の施術について算定できる」ルールの通り、この3回目の来院時(後療2回目)にも再検料が算定可能です。
後療料(2部位) 550円+440円=990円 1部位目は満額(100%)。2部位目は2回目と同様に、所定料金(550円)に2部位目逓減率(80%)を乗じた金額(440円)を算定。
明細書発行加算 10円 窓口で一部負担金等の支払いを受けるごとに無償交付することで毎回算定。

📊 7月7日の保険請求分(10割)合計:1,420円

7月9日(4回目来院時)の算定内訳

算定項目 改定後の点数・算定額 実務上の留意点・計算ルール
再検料 0円(算定不可) 【実務上の注意】再検料の算定は「初回および2回目の後療日に限る」と定められているため、4回目の来院時は算定できません。
後療料(2部位) 550円+440円=990円 1部位目は満額(100%)。2部位目は2部位目逓減率(80%)に基づき440円を算定。
明細書発行加算 10円 支払いを受けるごとに無償交付することで毎回算定。

📊 7月9日の保険請求分(10割)合計:1,000円

⚠️ 7月9日の施術をもって治癒・終了とした場合、次回来院時の「3月ルール」変化パターン

治癒日翌日の「7月10日」を起点として、患者さんが再来院したタイミング(経過期間)により、レセコン入力および窓口で算定できる料金が以下のように3パターンへ激変します。

  • 【パターン1】7月10日~8月9日の間に来院があった場合(1か月以内)
    期間の根拠:治癒日翌日の「7月10日」から起算してちょうど1か月間(翌月9日まで)の期間です。
    料金の変化:初検料(0円)・再検料(0円)ともに算定不可。前回の負傷名から地続きの「継続」扱いとなり、再来初日から後療料(2部位なら550円+440円)のみの算定となります。
  • 【パターン2】8月10日~10月9日の間に来院があった場合(1か月超~3か月以内)
    期間の根拠:治癒日翌日から1か月を経過した「8月10日」から、3か月が経過する「10月9日」までの期間です。
    料金の変化:初検料(0円)は算定不可ですが、新設ルールにより再来初日から連続する2回の施術まで「再検料(420円)」の上乗せ請求が可能になります。窓口会計では「再検料420円+後療料」の算定となります。
  • 【パターン3】10月10日以降に来院があった場合(3か月以上経過)
    期間の根拠:治癒日翌日から起算して3か月(歴月)が完全に満了した(7月10日〜10月9日)翌日、すなわち「10月10日」以降のタイミングです。
    料金の変化:前回の施術から3ヶ月が完全に経過したためリセットされ、同一部位の負傷であっても「完全な新規の初検」として扱えます。再来初日に「初検料(1,560円)+初検時相談支援料(100円)+施療料(満額)」の満額算定体系へと戻ります。
再来時の項目可否まとめ 終了日翌日から1月以内 1か月超~3か月以内 3か月以上経過
初検料
初検時相談支援料
再検料1回目(再来初日)
再検料2回目(再来2日目)
時間外等加算 〇 (要摘要記載)

6. FAQ:新料金・算定ルールに関するよくある質問

新点数の移行および再検料特例・3月ルールの運用にあたって、現場から想定される実務の疑問点をまとめました。

Q1:異なる負傷名であれば、前回の施術中止から3ヶ月以内でも初検料は算定できますか?
A1: 算定できません。今回の改定により、同一の施術所において3ヶ月以内に再度施術を行う場合は、たとえ「当初とは異なる負傷又は部位に対するもの」であっても、一律で初検料の算定は不可となりました。過去3ヶ月以内の通院歴がある場合は、新設された「再検料スタート」などの特例に該当するかどうかを確認する必要があります。
Q2:再検料が「2回まで」算定できるようになりましたが、同月内で負傷が治癒・中止して新負傷が発生した場合はどうなりますか?
A2: 同月内に治癒した後に「新たに発生した負傷」に対して施術を行った場合、今回の改定により初検料の算定ルール(3月ルール)が原則適用されるため、初検料は算定できません。また、前回の負傷中止・治癒から1ヶ月以上経過していない場合は、新設された「再検料スタート(1ヶ月経過以降に連続2回算定)」の特例も使えないため、再来初日(初回来院日)から通常の後療料のみの算定から開始することになります。
Q3:冷罨法料が80円に引き下げられましたが、温罨法と同時に行った場合の電療料加算(80円・46円)に変更はありますか?
A3: 変更ありません。温罨法を併施した場合、または電気光線器具を使用した場合の加算としての電療料は、骨折・不全骨折(受傷日より7日除外)、脱臼・打撲・捻挫(受傷日より5日除外)の規定に基づき、新点数である「80円」または「46円」をそれぞれ規定通り加算することができます。
Q4:初検料が算定できないタイミングで「再検料スタート」となった初日に、時間外加算(夜間・休日等)を算定することは可能ですか?
A4: 可能です。ただし、その場合は支給申請書の「初検料」欄にある該当する文字(夜間・休日等)を○で囲んで加算額を記載し、かつ「施術時間」と「その時間帯に施術を行うに至ったやむを得ない詳細な経緯」を支給申請書の摘要欄に具体的に記載することが必須要件となります。
Q5:長期頻回の逓減の起算月について、初検料が引けなかった月(再検料スタートの月)はどうカウントしますか?
A5: 再検料スタートとなった最初の月を「1か月目(初回月)」としてカウントします。厚生労働省の留意事項通知により、長期・頻回に係る減額措置の起算月は「初検料が算定できない場合の初回の施術日を含む月」から起算すると明記されているため、レセプトの継続月数欄には通常通り「1」から記載を行ってください。

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