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2025年05月06日

スタートで差をつける!! 明確なコンセプト設計で開業準備を加速させよう!!

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スタートで差をつける!! 明確なコンセプト設計で開業準備を加速させよう!!

 

「いつかは自分の院を…」 日々患者様と真摯に向き合う中で、『自分の理想の整骨院を開業したい』と考える柔道整復師の方は多いでしょう。

独立開業には大きな夢とやりがいがありますが、「何から始めればいい?」「失敗したらどうしよう?」といった不安を感じるのも当然です。特に、整骨院の開業準備はやることが多く、どこから手をつけるべきか迷うことも多いでしょう。

しかし、ご安心ください。成功する開業準備には、成功への道しるべがあります。それが、開業準備の初期段階で行う「コンセプト設計」です。

開業準備を始める際に、ご自身の院が目指す方向性(コンセプト)を明確にし、必要な情報を的確に集めることができれば、その後の開業準備はスムーズに進み、他の開業希望者とスタートで大きな差をつけることができます。

この記事では、これから整骨院開業を目指すあなたのために、

・ なぜコンセプト設計が重要なのか?

・ 成功するコンセプトをどうやって作るのか?

・ 開業準備を始める前にやるべき自己分析とは?

 

といった、開業準備を加速させるための最初の一歩を具体的に解説します。この記事を読めば、開業への道筋が明確になり、自信を持って準備を進められるでしょう。さあ、夢への第一歩を踏み出しましょう!


 

なぜ今、整骨院を開業したいのか? あなたの「原点」となる想いを探る

 

整骨院の開業準備というと、資金計画や物件探し、手続きなどをすぐに思い浮かべるかもしれません。しかし、具体的なステップに進む前に、まず立ち止まって自問すべき、非常に重要な問いがあります。

 

「なぜ、あなたは整骨院を開業したいのか?」


技術や知識、経験はもちろん大切です。しかしそれ以上に、開業という道のりを歩み続け、困難を乗り越え、地域や患者様から本当に必要とされる院を作るためには、あなた自身の「原点」となる強い想い、つまりブレない軸が不可欠です。この最初のステップで自分の内面と深く向き合うことが、今後の意思決定の土台となり、開業準備を力強く進める原動力になります。


開業への動機を深掘りする自己対話のススメ

 

「独立して自由にやりたい」「もっと収入を増やしたい」——それも立派な動機です。しかし、もう少し深く、自分の心と対話してみましょう。

なぜなら、開業準備中や開業後に壁にぶつかった時、あなたを支えるのは、より深くにある、あなただけの「譲れない想い」だからです。

ぜひ、静かな時間を取ってノートとペンを用意し、以下の問いに自分の言葉で正直に答えてみましょう。すぐ答えが出なくても大丈夫。時間をかけて向き合うことが大切です。

 

 

・ あなたが柔道整復師を目指した「最初のきっかけ」は何でしたか?

・ 日々の臨床で最も「やりがい」や「喜び」を感じるのはどんな時ですか?

・ 今の職場(勤務先)では「実現できない」と感じることは何ですか?

・ 整骨院を開業したら、今の仕事と「何が一番変わる」と思いますか?

・ 施術家として「最も大切にしている価値観」は何ですか?

・ 理想の働き方、理想のライフスタイルは?

・ 金銭的な成功以外に、開業で「成し遂げたいこと」は何ですか?

・ 5年後、10年後、どんな施術家になっていたいですか?

 

これらの問いへの答えを書き出す中で、開業への想いが、より具体的になるはずです。

「誰かの役に立ちたい」「地域に貢献したい」「理想の施術を追求したい」…どんな答えでも構いません。
それが、あなただけの開業の「原点」です。

 

どんな患者さんを笑顔にしたい? 理念・ビジョンを言葉にする

 

自己対話で見えてきた「原点」となる想いを、次は具体的な「理念(ミッション:使命)」「ビジョン(目指す姿)」にしましょう。

これは、あなたの整骨院が社会にどんな価値を提供し、どんな未来を目指すのかを示す、いわば「院の魂」と言えます。

シンプルに考えてみましょう。以下のフレームワークが役立ちます。

 

 

「私の院は、 [ ① どんな患者さんの ] の [ ② どんな悩みや痛み ] に対して、 [ ③ 私の(私たちの)〇〇という強みや技術 ] を通じて、 [ ④ このような状態・未来 ] を実現します。」

  • ① どんな患者さん?: 具体的なターゲット像(例:部活を頑張る学生、肩こりに悩むデスクワーカー、腰痛持ちの高齢者)
  • ② どんな悩みや痛み?: ターゲットが抱える具体的な課題(例:パフォーマンスを発揮できない、仕事に集中できない、日常生活の制限)
  • ③ 強みや技術?: あなたが提供できる独自の価値(例:根本改善を目指す手技、最新機器、丁寧なカウンセリング、スポーツ外傷への専門知識)
  • ④ どんな状態・未来?: 患者さんにどうなってほしいか(例:痛みのない毎日、笑顔で趣味を楽しむ、自己ベスト更新)

これらの要素を組み合わせ、あなただけの、心に響くシンプルな言葉にまとめましょう。
例えば、「スポーツに打ち込む若者の早期回復とパフォーマンス向上をサポートし、夢を応援する」「独自の骨盤矯正で、産後ママの心身の不調を解消し、笑顔の子育てを支える」といった形です。

言語化された理念・ビジョンは、事業計画やスタッフとの意思統一、患者様へのメッセージとして、あなたの院を特徴づける強力な武器になります。

ここで明確になった「なぜ開業したいのか」「誰をどう幸せにしたいのか」という熱い想いは、今後の開業準備と運営を支える、あなただけの羅針盤となるでしょう。この想いを胸に、次の具体的な計画策定へと進みましょう。

 

成功の設計図!
開業の成否を分ける「コンセプト設計」の重要性

 

前項で深掘りした「原点」となる想いは、開業の「エンジン」です。しかし、エンジンだけでは事業は成功しません。進むべき方向を示す「羅針盤」が必要です。整骨院開業における羅針盤となるのが「コンセプト設計」です。

コンセプトとは「誰に、どんな価値を提供し、他院とどう違うのか」を明確にしたもので、あなたの想いを形にする設計図です。この設計図が明確なほど、開業準備はスムーズに進み、開業後の経営も安定しやすくなります。

 

なぜコンセプトがなければ失敗しやすいのか?

 

もし、明確なコンセプトがないまま開業準備を進めると、以下のような問題が起こりやすくなります。

・ 方向性が定まらない: あらゆる意思決定(物件、内装、集客など)の基準がなく、一貫性のない院になる可能性。

・ 他院と差別化できない: 「選ばれる理由」を伝えられず、価格競争に陥ったり、埋もれたりする危険性。

・ メッセージが響かない: ターゲットが曖昧で、当たり障りのない情報発信になり、本当に届けたい人に届かない。

・ 価値観の共有が困難: スタッフを雇用する際、目指す方向が共有できず、チームとして機能しない。

 

結果として、集客不振や経営難につながるリスクが高まります。だからこそ、開業準備の初期にコンセプトを練り上げることが重要です。

 

ステップで解説!魅力的なコンセプトを作り上げる方法

 

では、どうすれば「勝てるコンセプト」を作れるのでしょうか? 以下の4ステップで、あなたの想いを具体的なコンセプトに磨き上げましょう。

 

STEP1: 徹底的な自己分析(強み・価値観)

まず、自己分析から始めます。前項で見えた「原点」を、さらに客観的に掘り下げます。

  • ・ 技術的な強み:
    得意な手技、改善実績のある症状、得意な患者層は? 過去、患者様に特に喜ばれたことは?
  • ・ 人間的な強み:
    コミュニケーションスタイルで活かせる点は?(例:傾聴力、丁寧な説明、親しみやすさ、誠実さ)
  • ・ 大切にしたい価値観:
    施術家として譲れない信念は?(例:根本改善、心への寄り添い、学び続ける姿勢)

これらの問いへの答えが、あなたの強みや価値観を明確にするヒントになります。

 

STEP2: ターゲット患者(ペルソナ)を具体的に描く

次に、「誰に届けたいか」を明確にします。**具体的なターゲット像(ペルソナ)**を設定することが重要です。

  • ・ ペルソナ設定の項目例:
    年齢、性別、職業、居住エリア、ライフスタイル、趣味、具体的な症状や悩み、健康観、情報収集方法、施術への期待など。
  • ・ なぜ重要か:
    具体的な人物像を描くことで、その人が本当に求めるものが見え、提供すべきサービスやメッセージが明確になります。(例:「30代後半、デスクワーク中心のSE、慢性的な肩こりと眼精疲労に悩み、週末登山を楽しみたいAさん」のように)

 

STEP3: 提供価値(どんな問題を解決するか)を明確にする

ペルソナが抱える「問題」を、あなたの院がどう解決できるか、「提供できる価値(バリュープロポジション)」を明確にします。

  • ・ 患者様の「悩み(ペインポイント)」を特定する:
    身体的な痛みだけでなく、時間的制約、改善しない不安、コミュニケーション不足なども含めて考えます。
  • ・ あなたの「解決策(提供価値)」を提示する:
    「〇〇の手技と△△の機器で、長年の腰痛の原因にアプローチし、□□できる状態を目指しましょう」のように具体的に。
  • ・ 目指すは患者様の「理想の未来」:
    施術を通じて患者様がどうなれるか、そのメリットを明確に伝えます。(例:「諦めていた趣味を再開できます」「仕事のパフォーマンスが上がります」)


STEP4: 独自性・差別化ポイント(他院との違い)を打ち出す

最後に、あなたの院が他の競合院とどう違うのか、「選ばれる理由(USP: Unique Selling Proposition)」を明確にします。

  • ・ 競合調査は必須:
    開業エリアの競合院(整骨院、整体、整形外科など)の強み・弱み・ターゲット・価格などを分析します。
  • ・ 価格以外の魅力で勝負:
    技術、専門性(〇〇専門)、サービス(予約制、夜間診療)、雰囲気、院長の個性、設備などで「ここならでは」の価値を打ち出します。
  • ・ 「一点突破」の強み:
    「〇〇なら、あの院」と地域で最初に思い出してもらえるような、明確な強みを持ちましょう。
  • ・ 組み合わせによる独自性:
    例えば、「スポーツ外傷特化」+「最新リハビリ機器」+「栄養指導」のように、複数の要素を組み合わせて独自の強みを生み出せます。

この4ステップで、あなただけの魅力的なコンセプトが見えてくるでしょう。

 

コンセプト事例紹介:成功している整骨院の共通点

 

成功している整骨院のコンセプト例(架空)を見てみましょう。

  • 事例1:「働く世代の駆け込み寺!駅近・夜間受付のスピード改善整骨院」

    • ターゲット:忙しい20~40代男女
    • 提供価値:短時間での効果実感、待ち時間軽減、利便性
    • 独自性:駅近、夜間診療、特化メニュー
  • 事例2:「子連れOK!産後ママの骨盤ケア専門整骨院」
    • ターゲット:産後の不調に悩む母親
    • 提供価値:専門的な骨盤矯正、リラックス空間、悩み共有
    • 独自性:女性スタッフ、キッズスペース、託児サービス
  • 事例3:「もう繰り返さない!慢性腰痛の根本改善専門整骨院」
    • ターゲット:長年の腰痛に悩む40代以上
    • 提供価値:原因特定、個別計画、再発予防指導
    • 独自性:腰痛特化の技術、アフターフォロー充実


これらの
成功事例の共通点は以下の通りです。

  • ① ターゲットが明確
  • ② 提供価値が具体的
  • ③ 他院との違いが明確
  • ④ 院長の想いや専門性が反映されている
  • ⑤ コンセプトに一貫性がある(院名、内装、サービス、集客など)

明確なコンセプトは、院の方向性を示し、日々の意思決定のブレを防ぎ、効果的な集客を可能にする強力なメッセージになります。この「設計図」をもとに、具体的な事業計画へと進みましょう。

開業適性チェック!自分自身を知ることから始めよう

コンセプト設計と並行して重要なのが、ご自身の「開業適性」を客観的に見つめ直す自己分析です。

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」と言いますが、まずは自分自身を客観的に理解することが、成功への土台となります。

どんなに素晴らしいコンセプトを描いても、それを実行する「あなた自身」のスキル、経験、そして経営者としての資質や覚悟がなければ、夢の実現は困難です。ここでは、開業医・経営者としての適性を確認するポイントを解説します。

 

柔道整復師としてのスキル・経験値の客観的評価


一人の施術家として、あなたは患者様にどんな価値を提供できるでしょうか? 開業とは、勤務先の看板に頼らず、自身の力で信頼を勝ち取るということです。

 

  • ・ 得意な施術・症状は?:
    最も自信のある手技や改善実績のある症状は?それは明確な強みでしょうか?
  • ・ 臨床経験は十分か?:
    どれくらいの症例を経験し、様々な患者層に対応できるでしょうか?難しいケースにも冷静に対処できる経験値はあるでしょうか?
  • ・ 技術をアップデートしているか?:
  • セミナー参加や学習を通じて、常に新しい技術や知識を学び続ける意欲と習慣はあるでしょうか?
  • ・ コミュニケーション能力は?:
    患者様の痛みや不安に寄り添い、分かりやすく説明し、信頼関係を築くスキルはいかがでしょうか?技術と同じくらい重要です。
  • ・ 指名される存在か?:
    勤務先であなたを指名する患者様はいますか?独立した場合、ついてきてくれる見込みはありますか?

これらの問いに客観的に答え、不足を感じる点があれば、開業までに補う計画を立てましょう。

 

経営者に向いている?資質とマインドセット

整骨院を開業することは、施術家であると同時に「経営者」としての役割も担います。施術に集中したい気持ちは当然ですが、経営者の視点なくして院の存続は難しいでしょう。

以下の点について、ご自身を振り返ってみましょう。

  • ・ リーダーシップと決断力: 困難な状況でも情報を集め、分析し、的確な判断を下せるか?
  • ・ 計数管理能力(数字への意識): 売上・経費・利益・資金繰りを数字で把握・分析できるか?苦手意識はないか?
  • ・ コミュニケーション能力(対外折衝力): スタッフ、業者、地域住民、金融機関などと良好な関係を築けるか?
  • ・ 自己管理能力と継続力: 健康・時間・モチベーションを管理し、目標達成に向け粘り強く努力できるか?
  • ・ 変化への対応力と学習意欲: 業界トレンドやニーズの変化に対応し、常に学び続けられるか?
  • ・ 問題解決能力とストレス耐性: トラブル発生時に冷静に原因を分析・解決し、プレッシャーに耐えられるか?

全て完璧である必要はありません。しかし、経営者としての自覚を持ち、足りない部分を補う努力が開業後の成功に不可欠です。

 

開業リスクと向き合う:自身の許容度の確認

 

開業には夢がある一方、当然リスクも伴います。特に資金面のリスクは大きく、経営が軌道に乗らない場合、資金繰りが困難になる可能性もあります。


資金ショートのリスク: 開業資金や運転資金が不足するリスクを想定できているか?

  • ・ 収入不安定のリスク: 固定給がなくなり、収入が経営次第になることを受け入れられるか?
  • ・ 長時間労働の可能性: 開業当初の多忙さに体力面・精神面で耐えられるか?
  • ・ 失敗した場合のセカンドプラン: 万が一、事業がうまくいかなかった場合の選択肢を考えているか?
  • ・ 家族の理解と協力: 開業に伴うリスクや生活の変化について、家族の理解と協力を得られているか?

これらのリスクを具体的にイメージし、自身の許容度を冷静に判断しましょう。リスクを現実的に捉えることが、リスク軽減に繋がります。

自己分析は厳しい現実に直面することもあります。しかし、ここで自分自身を深く理解し、強みを活かし、弱みを補う戦略を立てることができれば、それは開業成功への確かな一歩です。この自己分析の結果も踏まえ、より精度の高いコンセプト設計や事業計画を目指しましょう。

 

まとめ:明確なコンセプトと情報武装で、未来への扉を開こう

 

ここまで、整骨院開業の第一歩として重要な「コンセプト設計」「自己分析」について解説しました。

重要なのは、

  1. 熱い想いを、明確なコンセプト(羅針盤)にすること
  2. 質の高い情報(武器)を得て、準備を進めること
  3. 自分自身(強み・弱み・リスク許容度)を冷静に分析すること

    です。

これらが、あなたの開業を成功に導く重要な基盤となります。コンセプトが明確なら、意思決定で迷いません。情報があれば、無駄なコストやリスクを避けられます。自己理解が深ければ、困難な状況でもブレずに行動できます。



やるべきことの多さに圧倒されるかもしれません。しかし、この記事を読んだあなたは、具体的な一歩を踏み出す準備ができています。

まずはノートに想いを書き出す、セミナーを探すなど、小さな行動から始めてみましょう。その一歩が、あなたの理想とする整骨院への扉を開く鍵となるでしょう。

明確なコンセプトと確かな情報で開業準備を加速させ、夢を実現しましょう!

JBA協会では接骨院や整骨院の開業を目指す方へ向けて接骨院・整骨院開業セミナーを毎月開催しております。

開業のための資金計画や物件について、集客の仕方など皆様が悩むことに対して丁寧に解説しています。


 

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